商品開発のコンセプト設定

自社製品の開発をするなら5W1Hでコンセプトを明確にせよ


商材の調達方法は、メーカーや卸業者から仕入れたり、海外に買い付け旅行に出かけることもあるだろうが、自社オリジナルの商品開発をするという手もある。

もしオリジナル商品を自社で開発できる環境が整っていなかったとしても問題ない。OEM(original equipment manufacturer)を行っている製造業者に依頼することで、どこにも販売していない、全くオリジナルの商品を作ることが可能だ。

そこで大事になってくるのは、商品開発をする上で何を一番重要視するべきなのか。
デザイン力や仕立てのレベルなどももちろん大事だが、一番重要となってくるのは「コンセプト」。このコンセプトを考える工程をないがしろにしては、”売れる商品”が生まれることもない。

今回はオリジナル商品を開発する際には、企画段階のコンセプト設定が非常に大事だということを説明していく。

 

コンセプトを明確にする理由

コンセプトを明確にする理由

まずはっきり言っておかなければならないのは、ただ何となく新商品を作ろうと思い立ち、ターゲットとなるユーザーのことや、商品コンセプトを考慮することなく作られた商品がヒット商品になることは非常に稀である。商品開発とはそんなに簡単なものではなく、世の中のヒット商品も緻密な戦略と、何時間にもわたる企画開発会議の上に、誕生したものなのだ。

コンセプトがはっきりしていないものは、どの需要も100%満たすことができない。コンセプト設計を無視して商品開発を進めると、開発にかけた人件費を無駄にするだけでなく、全く売れずに残った在庫の山を見ることになる。

商品の「コンセプト」を決めるということは、商品開発をする上で、軸を決めることと同じこと。軸がぶれてしまっては、誰のための何のためのアイテムなのかよく分からなくなってしまう。

 

コンセプトは特化することが大事

新商品を考えるときには、誰にとっても使い勝手のよい、魅力的に感じられるようなものを作ろうと思ってしまうが、これは失敗のもととなるので気を付けてほしい。十人十色というように、人それぞれ価値観は違う。商品Aに魅力を感じて購入する人もいれば、そのような商品にお金を出すこと自体もったいないと感じる人もいる。

例えば自社オリジナルのカバンを開発しようとした場合、収納を多くするためにポケットをいっぱいつけたり、スポーティなシチュエーションにも合うようにショルダー型にしたり、見た目を可愛らしくするためにデコレーションしたり…いろんな要素を詰め込んでしまうことが多々ある。

もちろん1つの商品で多くの需要を満たすことは良いことだが、あまりにもさまざまなシーンで使うことを考えると、結局どんなシチュエーションでもハマらないバッグが出来上がってしまう。全体としてのバランスは優れているかもしれないが、特定のシーンを考えて使うには物足りない。そして誰にも必要とされずに売れないという結果になる。

つまり世の中全員に受け入れられるような商品など作ることができないし、”帯に短し襷(たすき)に長し”ではないが、ある一方の需要を満たすと、一方にはつまらないものになってしまうものだ。

だが商品開発の現場では、この一方の需要を満たすことが大事であり、ある分野に特化したものを作り上げる必要がある。どの需要も満たそうとすれば、誰にとっても満足のいくものではなくなってしまうため、一部の人にズバッとハマるものを開発できたら、それはくヒット商品への第一歩となる。

 

商品開発の企画には5W1Hを考える

5W1Hを考える

商品開発の企画を立てるときにはコンセプトを明確にすることが大切だとご理解いただいたが、そのコンセプトはどのように明確にしていけばよいのかといった悩みも生まれるだろう。コンセプトを考えるときには、5W1Hを明確にすることが有効だ。

5W1Hとは以下の項目を表す言葉。

  • When: いつ
  • Where: どこで
  • Who: 誰が
  • What: 何を
  • Why: なぜ
  • How: どのように

これら6つの要素を決めていくことで、ターゲットや利用シーンが明確になり、確固としたコンセプトが出来上がる。

 

When

朝なのか夜なのか、1日の中でも時間帯が違うだけでも用途は異なるし、一週間の中でも平日に使用するのか、休日に使用するのかという点でも、考えるべきポイントは変わってくる。

もし紅茶を販売するなら、朝に飲むならカフェインのように活力がわいてくるような成分を含んだ茶葉がよく、夜に飲むなら快眠効果を得られるリラックス成分を含んだ茶葉がよいだろう。タイミング次第でユーザーの求めるものは変わる。

さらに言えば、クリスマスやハロウィンなどの季節ものの商品もあり、時期によっても需要の変化が起きることを忘れてはいけない。

 

Where

会社の中なのか、自宅の中なのか、はたまた多くの人が集まるパーティで使用するものなのか。その商品を利用する場所でも、フォーマルな形状にするのか、カジュアルな形状にするのかなど、考えるべきことが生まれてくる。

「どこで使うのか?」ということも企画会議の中ではイメージしておきたい。

 

Who

女性なのか男性なのか、20代のヤング層なのか60代のシニア層なのか。女性が使うものであれば可愛く、男性用であればスマートに。高齢の方が使うものであれば、文字の表記は大きくなどの配慮が必要になってくる。

「誰が利用するのか?」を決める際には、性別や年齢だけでなく、もっと細かい部分まで設定しておくと、コンセプトが明確になりやすく、会議もスムーズに進む。これはペルソナ設定と呼ばれるマーケティング手法で、詳細は「ペルソナ設定をしてユーザーの心に響くネットショップを作ろう」を参考にしてほしい。

 

What

まさに何を作るのか。
商品開発の根幹となる部分。専門性のある商品を販売しているECサイトなら大筋は決まってくるだろう。

 

Why

その商品がなぜ必要とされるのかを考えなければならない。
財布の場合であれば、収納力が足りなくて困っている主婦のことを考えて、カードポケットやレシートポケットを多くする設計にするなど。

 

How

そして最後はどのように使うかを意識する。
バッグの開発を例にするなら、主婦の買い物用に使うのであれば口を大きくしたり、重い荷物を入れることを想定して、底を頑丈にした設計にすることで、使い勝手がよくなる。

 

実際にバッグを例に商品開発をするなら

バッグの開発

それでは早速、かばん専門店のEC事業者が、次シーズンの目玉商品とする予定のバッグを開発するという例で、5W1Hについてシミュレーションしていこう。

 

前提となるターゲット設定

商品開発を進める前に、まずはターゲットを設定しておく必要がある。
今回は簡単ではあるが、以下のようなターゲットを想定した商品開発を進めていく。

会社勤めの25代女性、千葉県在住 A子さん

日々の通勤には自転車を使用しているが、その際に使用するバッグが欲しいと思っている。
自転車はロードバイクタイプのもので、バッグを入れるかごは付いていない

 

5W1Hでバッグの仕様を決める

前提条件をもとに、5W1Hを意識してバッグの仕様を決めていく。

  • When(いつ)…毎朝、毎夕の通勤途中に
  • Where(どこで)…外で(自転車を滑走中)
  • Who(だれが)…20代女性
  • What(なにを)…バッグ
  • Why(なぜ)…バッグを入れるかごが自転車についていないため
  • How(どのように)…バッグを持ちながら、快適に自転車をこげるように

これらを考慮すると、しっかりと両手でハンドルを握って安全に自転車に乗れるように、背中に背負えるタイプのバッグがよいと考えることができる。そして通勤途中に使用するということなので、少なくともA4書類を折り曲げずに入れられるだけのサイズは欲しいだろう。

また20代女性を想定しているが、ビジネスでも使用できるように過度な装飾は控えたほうがよい。かといってデザインもおろそかにはしないが、一番優先するのは機能性。

5W1Hを利用してコンセプトを明確にしておくことで、おのずと商品仕様が見てくる。

 

おわりに

コンセプトをしっかり固めることで、ある程度の設計図を思い浮かべることができる。あとはぶれずに最初に決めたコンセプト通りに制作を進めていき、状況に応じて微調整をしていけばよい。

オリジナル商品のように、他店では販売していないアイテムがあるということは、他ショップと価格の比較をされることもないし、ユーザーは御社のサイトで買うしか選択肢はない。また原価率も自由に設定できるため、ある程度価格設定にも融通をきかせられるメリットがある。

客単価の向上や利益率の改善のためにも、他店との差別化を図ることのできる独自商品の開発を行っていこう。その他商品開発については以下の記事も参考にしてほしい。

 

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